悩みの種

ここは王城の一角。
白髪碧眼の少女が白毛赤眼の竜に喋りかけている。
二人はそれぞれ違う世界の住人なのだが、
縁あって友として付き合っている。

「なんなの?あまりにも無愛想すぎない?
こんな美少女が目の前にいたら、もっと喜ぶべきだわ!!」
「あら、どこに美少女がいるの?」
「こ!こ!シアの目の前!!」

からからと竜は笑う。
聖竜シアは、渦中の半竜ゴルダの曾祖母にして
"この世界"における生の創造主である。
ここでは彼女のおかげで不自由なくとどまることができる。

…いつのまにか、色味の違う白と白が1つの毛玉になってしまった。

「……もふ」
「あっ、もう、全く……。もふもふしてるのは自分のほうでしょ?」

普段抱きつく側に回ることが多いためか、
すこし気恥ずかしそうにしている。
シアは人に抱きつくのが好きらしい。
力加減を考えてもその巨躯の抱擁に耐えうる種族がどれほどいるのか定かではないが、
少なくともメリエルは平気らしい。
やたらめったら大剣を振り回すだけはある。

「胴体に起伏がないから抱きやすくていいのよねえ。」
「相変わらずデリカシーなさすぎだからね!?」
「無いものは無いんだからしょうがないでしょ。それともつけて欲しい?」
「人工じゃだめ。」
「竜工よ?」
「それは屁理屈って言うの。」
「いやだわ、屁だなんて。それでも女の子?」
「胸だけが女の子らしさじゃないから!!」
「たとえば?」

待ってました、というしたり顔。

「料理ができる!」
「できるの?召喚獣が献立を考えてるって聞いたけど。」
「……気立てがいい!」
「どこが?」
「どこが?ってのはやめてよ傷つく。」
「はいはい、あとは?」
「あと…………美しい長髪!」
「髪に性別があるの?」
「一般論としてよ。それより一緒に考えてよー。」
「やっぱり顔じゃない?」
「そこは文句ナシよね!」
「人間の美的感覚はよくわからないわ。」
「私がそういってるんだからそうなの!」

話がどんどんずれていることに少女は気づかない。
亀の甲より年の功とはよく言ったもので、身内の話題からうまく反らすことができた。
折角外からきているのだからそっち話が聞きたい、というのは自然の摂理だろう。

「ほらほら!シアも頭じゃなくて口をうごかす!」
「女の子らしさはもういいから、もっと面白い話をして欲しいわ。」
「なによ、もー。じゃあこの前あったことなんだけどね――」

その話は別段目新しいものではなかった。
それでも面白いと感じるのは、何故だろう?

「――ってことがあったの!」
「ねえ今のどこが面白いの?」
「私が大活躍してるとこに決まってるてしょ!?」
「沼にはまって出してもらおうとウンディーネを呼んで
 水かさが増えてしまって更にはまってしまった話
 のどこに活躍があったのかしら。」
「全部よ。」

面白いのではなく、おかしいのかもしれない。

自分がどのように思われているとも知らず、
限りなく何とかに近い天才は日がくれるまで喋り続けた。





夕暮れ、帰り際になりようやく思い出した。
今日は、「どうすればゴルダを笑わせることができるか」
という相談をしようと思いシアを訪ねたのだ。

しかしながら、メリエルの言動ひとつひとつを面白がっている彼女に聞いても
良い答えは出なかっただろう。

(ま、今度会ったときに色々やってみればいっか)

その目は爛々と輝きながら未だ来ぬ世界を見つめていた。



ゴルダさん宅のシアさんと一日的な。
いつもありがとうございます。

2014/1/08

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